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【紙文書の電子化】電帳簿保存法改正に合わせたシステム選定のポイント!

 

本記事について

電子帳簿保存法対応によって注目されている、帳票の電子データ化。当然、いつかやらねばと思いながらもなかなか対応できていないという企業様も多いのではないでしょうか?こうした法改正のタイミングは、これまで導入しきれなかったシステム導入を促す良い機会と捉えられます。
ITシステムベンダーとしては、お客様の運用面を熟慮し、現状のリソースにおいて適切なご提案をすることが強く求められるようになります。現場の業務を一番知っている事業者様と、正確な情報を元に、建設的な意見交換をしながらベストな対応を考えていきたいと思います。

つきましては、今回の記事では電子帳簿保存法の改正を踏まえ、「では自社ではどのようにシステム改善や運用切り替えをしたらいいのか?」という疑問を少しでも解消していただきたく存じます。

そして既存のシステムを生かしながら法対応を実現し、さらに業務効率化に繋がる、最適な方法もご提案をさせていただきます。

 

電子化について

まずは、システム導入を考える上で当然の内容ですが、改めて電子帳票と紙の帳票の比較をまとめました。

現場での業務に日々取り組む身としては、特に閲覧・検索・編集作業をいつでもどこでも行えるというのは非常に仕事がやりやすくなり、出先で情報が分からない…というストレスに苛まれることも無くなるので、現場目線で非常に大きなメリットだと思います。

もちろん各社のコスト面、運用面、あるいはセキュリティ面から、簡単にシステム導入できる状況ではないということもあるかと思いますので、対応を考えていきます。
「データ保管」の面では、現在電子帳簿保存法の対応に多くの事業者が取り組んでおられると思います。やはり外せないこの保存要件について見ていきたいと思いますが、帳票電子化の話をする上では、

■スキャナ保存の話

■電子取引の話

 

この2つの話は混同しないように注意するべきと言われています。
この2つはそれぞれ改正のポイントが異なります。また、システムで解決させるのか、運用で解決させるのかという判断をする上でも、それぞれの要件に自社が対応できるか、できないかを見る必要があります。

 

 

改正のポイント

スキャナ保存制度の要件緩和について、こちらは大きく4つあります。

①事前承認が不要に

スキャナ保存のために必要だった税務署長の事前承認が不要になります。

②タイムスタンプ要件や検索要件が緩和

タイムスタンプ付与までの期間の延長やタイムスタンプを付与しない運用も可能になります。
検索項目は「日付」「金額」「取引先」の3つになります。

③適正事務処理要件が廃止に

「紙の原本との照合」「事務処理担当者の複数名確保」「定期検査までの紙の原本の保管」などが不要となります。

④データ不正時の重加算税10%

各要件が緩和された一方で、スキャナ保存を正しくできていない場合の罰則が厳しくなります。

→スキャナ保存制度に対応したサービスを利用し、スキャナ保存規定や事務処理マニュアルの整備が必要です。
※国税庁 各種規定等のサンプル https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm(国税庁HPにページ遷移します。)

このように、国として帳票の電子化を進めるためにも、スキャナ保存に関しては緩い要件にし、紙の削減を促しているのです。

 

電子取引の「保存要件」

こちらも大きく4つあります。法律に順守した事業継続のためには、4つ全てをクリアする必要があります。

1.関係書類の備え付け

システムの概要を記載した書類(システム基本設計書、システム概要書など)を備え付けてください。

2.見読性の確保

保存しているデータを速やかに出力できるよう、PCとモニターを備え付けてください。

3.検索機能の確保

①日付 ②金額 ③取引先 の3項目で検索ができること
①日付 ②金額は、範囲を指定して検索ができること
2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて、検索条件を設定できること

↓ ※以下の3つの対応方法でいずれかを選択します。A、Bはシステムを利用せずに対応する方法です。

3-A:ダウンロード可能な状態にしてファイル名で運用する
ファイル名の例:20220125_(株)福岡情報ビジネスセンター_110000.pdf
3-B:索引簿を作成して検索に対応する
ファイルと関連付けて検索できる状態にする
3-C:検索要件に対応したシステムを利用する
3つの検索項目(日付・金額・取引先)の入力が条件

4.保存上の措置

※以下4つの対応方法でいずれかを選択します。

4-A:タイムスタンプが付与された書類の受領
→送信側すべての取引先からタイムスタンプを付与してもらうのは現実的に難しい…
4-B:タイムスタンプの付与
→自社と異なるシステムでタイムスタンプを押されたPDFを受け取った時、自社でタイムスタンプ押せないなど問題が残る。
4-C:訂正削除の記録が残る/訂正削除ができないシステムの利用
→OKだが、電子メールやWebサイトからDLする場合は、人の手を介さずに連携する必要がある。
4-D:訂正削除の防止に関する事務処理規定の備え付け
→タイムスタンプ付与のような期限の制限はない。自社に合わせた事務処理規定を作成すればOK。

※国税庁 各種規定等のサンプル https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm(国税庁HPにページ遷移します。)

 

これを踏まえ…

「1.関係書類の備え付け」「2.見読性の確保」については上記の通り、各所でご準備いただければ対応可能かと思います。

そして「3.検索機能の確保」「4.保存上の措置」については、対応する際大きく2パターンに分けられると考えています。

 

パターン1:書類を扱う担当者が少人数で、運用ルールが徹底できる場合

・・・システムを導入しない運用でも対応は可能。
3.検索機能の確保 →3-Aで対応!

4.保存上の措置 →4-Dで対応!

 

パターン2:書類を扱う担当者が一定数以上いて、運用ルールの徹底が難しい場合

・・・システムの導入が必要になってくる。
3.検索機能の確保 →3-Cで対応!

4.保存上の措置 →4-Cで対応!

 

上記のように、パターンに合わせて対応方法を決めていくことがおすすめです。

 

電子帳簿保存対応システム 改善のポイント

上記の判断をいただいた上で、システム改善に踏み切ろう!という方へ、システム改善のポイントをまとめます。

①取込
自社が利用したい取込み方法に対応できるか?
例)ファイルを選択してアップロード、メール転送、クラウドストレージ連携、チャットから転送
②入力
運用に必要な項目の入力が徹底できるか?
例)「入力の必須チェック」「オペレーターに検索項目の入力まで対応してもらいたい」
③履歴
入力時や変更時の運用に必要な変更・確認の履歴が残せるか?
例)「簡易的な確認者を設定したい」「本格的なワークフローを設定したい」
④検索
「検索機能の確保」の要件を満たせているか?
⑤出力
他の運用方法、あるいは他のシステムへの移行に必要なデータを出力できるか?
※出力できない場合、法定保存期間(7年~10年)の間、同じシステムを使い続ける必要がある
⑥費用
システムの契約料や利用料がどれくらいかかるか?
運用と合わせて、投資対効果を見ることが重要
いかがでしたでしょうか?
電子帳簿保存法に対応して適切にシステム改善を進める上で、「自社ではどう考えるべきか?」の参考になっていましたら幸いです。

最後に弊社からご提案させていただいているソリューションをご紹介します。

 

ご提案ソリューション

UT/400ファミリー

IBM iの基幹系帳票とアウトプットを効率化することができるツール群です。


https://fbicenter.co.jp/ibmi/rpg-factory/ut400

IBMiを基盤にしたシステムをお使いのお客様には、既存システムを生かし、UT/400を使った電子化対応をおすすめしております。

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