今回は、プロジェクト管理における重要な思考方法の話です。どうぞ、最後までお付き合いください。
<前回の記事>
プロジェクト管理 悲喜こもごも①
『スケジュール延ばします!』
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PM:「SさんとMさんが他プロジェクト作業で大幅に時間をとられ、遅れてしまいました。このままじゃ間に合いませんので、スケジュールを1カ月延ばします。」
私:「何ぃ?それは、充分に検討した結果なのか?安易にスケジュールを延ばしたらだめだぞ。」
PM:「はい、充分に検討しました。1カ月延ばすしかありませんっ!」
私:「ちなみにこのままだと何人日分くらいの作業が溢れそうなんだ?」
PM:「えっと、それは.......」
私:「......あのね、そんなのも把握せずに延ばそうとしよったとか。スケジュールは安易に延ばすもんじゃなかて、いつも言いよろうがっ!」
元々、3週間ほど前から開発リーダーの進捗報告では遅れてる旨の報告があがっており、その都度、開発リーダーは「キャッチアップできるように頑張ります」というのを繰り返していました。そして突然、2人月分ほど遅れているとの報告があり、遅れの原因は?キャッチアッププランは?の問いかけの後に前述の会話となったのです。
これは過去に実際にあったことで、博多弁で叱った上記のプロジェクトには、いくつかの問題が存在していました。まずは前述の会話から見えてくる問題について話をしていきたいと思います。
会話から見えてくる問題
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この会話からはいくつかの問題が見えてきます。
1.メンバーが他のプロジェクトで多くの時間をとられてしまった問題
これは、プロジェクト内だけではなく、うまく要員アサインを調整できなかった組織の問題でもあります。また、そういう状況を甘受してしまったプロジェクト側にも問題があり、本来ならば即座にエスカレーションして対策を打たねばなりませんでした。そして、そもそも最初に他のプロジェクトの作業指示が来た時にそのメンバーは開発リーダーに相談しなければなりませんでしたね。チーム内ではそういう相談しやすい環境作りやコミュニケーションがうまくできていなかったのかもしれません。
2.進捗報告で開発リーダーがキャッチアッププランを示さなかったこと。
「キャッチアップできるように頑張ります」。この場合の「頑張ります」は、具体策が無い証拠です。見過ごしてはいけなかったところですね。日ごろから、具体的なキャッチアッププランを報告するように習慣化しておくとよいと思います。
3.PMが進捗報告において、キャッチアッププランの提示を求めなかったこと。
PMはキャッチアッププランの提示を強く求めるべき、あるいは具体的に指示をだしたり、いっしょに考えるべきなのです。「頑張ります。」「頑張ってね。」ではダメで、具体的なプランを立てて確実に実行することが大事です。(「頑張ります。」「頑張ってね。」は、昔から失敗プロジェクトでよくみられるパターンです。)
PMが開発リーダーに対して、何らかの理由で遠慮があったのかもしれません。
4.どれくらいの作業量が溢れそうか把握しないままスケジュールを1カ月延ばそうとしたこと。
もっと正確に作業量をみないと、ひょっとしたら期間延長は2週間で済むかもしれないし、逆に1カ月じゃ足りないかもしれません。どんぶり勘定じゃだめなんですね。
期間を延ばすということは、コスト増になるわけですから、できるだけ正確な数字を出さないといけません。その前に検討すべきことがあったはずです。
一番の問題は?
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いろいろと問題が見つかりましたが、私が思う一番の問題は、PMと開発リーダーの思考方法です。PMや開発リーダーは下記のように考えたと思われます。
「遅れが生じた」⇒「人が足りない」⇒「間に合わない」⇒「1カ月延ばそう」
現状を見てから目標を見ると、このような思考になりがちです。
しかし、プロジェクトには期限がありますので、「逆算思考」することが大事になってきます。「逆算思考」とはゴールから逆算して考える思考方法のことです。簡単にいうと「目標を達成(期限どおりゴール)するにはどうしたらいいか」を考えるということです。
そうすると、期限に間に合わせるには、一時的な増員、一時的な残業、やり方を変えるなどが考えられます。それらが、どうにもならないときに、初めて計画の変更(スケジュールやスコープの変更)を検討すればよいのです。このことは、ずっと前から言い続けてきたことだったので、とても残念に感じたことを思い出します。人はついついできない理由を考えてしまうものなのですね。いやはや。
「どうしたら、できるかを考える」
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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
株式会社福岡情報ビジネスセンターは、これからも常に「どうしたらできるか」を考えて参ります。どうぞよろしくお願いします。
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