最終更新日: 2024.02.22
プロジェクト管理 悲喜こもごも⑤ ~コミュニケーション計画~
【執筆者プロフィール】
こんにちは! 株式会社福岡情報ビジネスセンターの高村です。プロジェクトメンバーからよく耳にするのは「情報共有をいかに徹底するか」という観点です。そこで、今回は開発メンバーとの「コミュニケーション計画」について少し話してみたいと思います。
<前回記事>
コミュニケーション計画とは?
コミュニケーション計画とは、ステークホルダーが必要としている情報、欲しがっている情報、または伝えなければいけない情報をどんなやり方で伝えるか、共有するかを計画することです。
ステークホルダーには、お客様の情報システム担当者、情報システム部門長、現場のエンドユーザー、そして経営層(上層部)の方々など、またベンダー側ではPM、PMO、PL、アプリリーダー、開発メンバー、インフラ担当など、いろんな人がいます。
また、コミュニケーションの方法として、いろんな会議体やメールやSNSなどツールなどがあります。それぞれに合った会議体や連絡手段を適切なタイミングで用いることが大事になってきます。昨今はコロナ禍ということもあり、リモートワークの場合連絡手段としてはチャット、メール、プロジェクト管理ツールが主な連絡手段になると思います。会議体は、開発側はPM・PLによる週次内部進捗会議、PL・開発メンバーによるチーム内ミーティング、お客様とは、担当部門メンバーとの週次の進捗会議などを行ないます。
開発メンバーとの情報共有の勘所
①開発に関わる問題や気づきの共有
開発に関わる問題や気づきが一部のメンバーにしか共有されておらず、それを後から知るメンバーが出てしまうと余計な手戻り作業が発生します。また、知らされていなかったメンバーは疎外感を感じてしまいます。コロナ禍でのリモートワークの場合、なおさらそう感じるのではないでしょうか。
②お客様との打合せやPM・PLによる内部進捗会議などで決めた内容の共有
開発メンバーにきちんと伝わっていない場合、こちらも多くの手戻りが発生します。いわゆる「そんなの聞いてないよー。」ってやつです。
③開発以外の部分のスケジュールや状況が開発メンバーにうまく伝わっていない。
そうなれば開発メンバーのプロジェクトへの参加意識が低くなり、当然モチベーションも低下します。その影響は大きく、実績コストが計画コストを大きく超過してしまうことに繋がりかねません。
なぜ、そうなるの?
計画時点での会議体やコミュニケーション方法については、特に問題はなかったのに、なぜ前述のようなことが起こり得るのでしょうか。原因は、課題管理、Q&A管理の運用プロセスやルールが周知徹底されていない場合、また内部進捗会議の内容に問題がある場合です。
課題管理、Q&A管理については、運用プロセス・ルールが徹底されていないと大量の質問や課題が長期間放置されてしまうということが起きてしまいます。また、部進捗会議は進捗を報告するだけの会議になってしまうと、追加情報や問題の共有がなされないまま進むことになります。
どうすればよかったの?
ではどうすればいいのでしょうか。最初のコミュニケーション計画をたてるときに、課題管理やQ&A管理の運用プロセス・ルールを明確にして周知徹底させ、また、プロジェクトメンバーが増えるたびにオリエンテーションとして説明されなければいけません。
次に、内部進捗会議については、やはり計画時にどういう目的でどういう内容を報告したり話し合うのかを具体的にとり決めておく必要があります。また課題管理、Q&A管理については未完了の課題・質問は常に例えば10個未満となるようにするということをルールとして設けると良いでしょう。
そして内部進捗会議の内容も次のような内容で会話されると良いです。
■プロジェクトの現在地の共有(全体的な進捗状況の共有)
■進捗報告(前倒しか遅れか、遅れの場合はその原因とキャッチアッププランを報告)
■課題の棚卸(その週にどんなものが完了したか、どんなものが残っているのかを共有)、及び放置されているものがないかをチェック。
■Q&Aの棚卸(その週にどんなものが完了したか、どんなものが残っているのかを共有)、及び放置されているものがないかをチェック。
■問題や気づきの共有
■その他連絡事項
これにより、情報共有がうまくなされチーム力を発揮し、プロジェクトがうまく回ります。
まとめ
ただ週次で進捗会議をしようというだけじゃダメで、具体的な内容まで計画すべきだと思います。今回は開発チームにフォーカスしてお話しましたが、他のステークホルダーについても同様に、どんな情報をどんな手段で伝えるか、共有するかを具体的に決めておく必要があります。
具体的にプロジェクトのイメージができるまで考えぬき計画を立てることが大事ですね。