最終更新日: 2024.02.27
ICT前提での改善の前にやるべき事
執筆者プロフィール
皆さまこんにちは!株式会社福岡情報ビジネスセンターマーケティング担当顧問 後藤泰朗です。
簡単な経歴ですが1979年、社会人最初は、MVSユーザー企業で5年間勤務、途中5550に出会いこれからの時代はITだ!と感じこの業界に転職。S/36からAS/400のシステム営業として活動し2002年オープンの世界に移る。そして2015年、定年退職を契機に起業。現在は株式会社福岡情報ビジネスセンター のマーケティング担当顧問としてWebマーケティングやDX事業の拡大に奮闘しております。
プライベートではテントを背負っての山歩きにハマり25年ぶりに最新のテントを購入し、今は次の山行計画を立案中です。
<前回の記事>
業務改革はDXのファーストステップ
https://fbicenter.co.jp/3014
DX実現にむけて業務プロセスの見える化が必須
このままではダメだ!では、どこがダメなんだ?
まずは推進メンバーが共通の認識合わせ(事実の確認)を行い、そこから検討していく流れを定着させましょう。
第一回目のブログは、上記で終わりました。
今までの企業のICT活用については前号で書きましたが、各部門の業務についても対処療法的に進めてきた部分最適もここにきて、その生産性向上には限界が生じてきました。
ここに、2025年の崖、デジタルトランスフォーメーションといった新たな課題が出現しました。
そしてIT 投資で解決したい短期的な経営課題に業務プロセスの効率化がここ数年、常に第一位にあります(2021年JUAS調査)。ほんの少し前までは現代のように業務で活用できるスマホのアプリも5Gのネットワークもありませんでした。
現在、業務プロセスの効率化、すなわちデジタルによる見える化(Digitization)は簡単に実現できるようになりましたが、以前のように部分最適でDigitizationを進めるとまた手詰まりとなるので、進める前に業務プロセス(手順)を整理しましょうというのが今回のテーマです。
業務手順書の作成
ISO9000シリーズの認証企業であれば業務手順書があるので、それを活用し業務プロセスをデザインしていきましょう。
業務手順書がない企業は、業務の流れ図で結構ですので作成しましょう。
流石に雲形定規で作成する方はいらっしゃらないと思いますが、Excelで描くのもメンテナンスビリティが低いのでやめてくださいね。
業務プロセス(手順)は、時代の変化と共に変化し進化していくものなので、その業務量(処理件数や処理時間など)を把握(視覚化)しながらプロセスを検討・変更していく必要があります。従ってメンテナンスビリティが低いツールで業務プロセスを描いていると非常に効率が悪いのです。
当然ながら現場業務というのは変化が激しいので、ウォーターフォール型でデザインしていくといった悠長なことは出来ません。
従ってこのような業務プロセスにはアジャイル方式のシステム開発が適用されます。
時流的に言うとローコード/ノンコード開発ツールの適用業務ってことですね。
ビジネスプロセスモデリング表記法
そして、このデザインする作業で注目されているのがBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)です。
※ビジネスプロセスモデリング表記法(英語: Business Process Model and Notation, BPMN)とは、ビジネスプロセスをワークフローとして描画するための表記法である。BPMN は Business Process Management Initiative (BPMI) が開発し、Object Management Group (OMG) と BPMI が 2005年に合併した後は OMG が保守している。
BPMN の目的は、すべてのビジネス関係者が容易に理解できる標準記法を提供することである。ビジネス関係者には、プロセスの作成・更新を行うビジネスアナリスト、プロセスの実装を行う技術者、プロセスを管理するマネージャなどが含まれる。さらに BPMN はビジネスプロセスと実装の間によく発生するコミュニケーションギャップを埋めることを意図している。(引用:Wikipediaより)
ワークフローと何が違うの?って混同している方が非常に多いと思いますが、ワークフローは別名ドキュメントワークフローと言われ、申請・承認を経る業務、代表的なものは稟議書や交通費経費申請といった業務で多様される技術です。
大半のワークフロー製品はこちらの類です。
一方、BPMNで記述するものは、業務を順番に進めていくプロセス、例えば、生産計画から自動的に作業指図が製造部①に発行される、その指図を着手・完了すると製造部②の次工程に移り、着手・完了の結果を入力していくといった業務プロセスを定義するものです。
ここには、ICTの活用やロボットの導入、或いは市場の変化などにより、そのプロセスも変化していくので常に状態を把握し変更していく必要があります。
BPMNツールには、シュミレーションができるものがあり、事前にデータ量や時間を設定することでその業務プロセスのボトルネックや問題点を事前に検証できる製品もあります。
また、デザインした業務フローを関連製品のビジネスプロセスワークフローに移行することでシステム化を簡単に実現できる製品もあります。(入出力項目はデザイン・定義する必要はあります)
更に、業務プロセスで処理された業務状況をモニタリングする機能もあるのでプロセスの見直しや自動化ツールの検討などにも役立ちます。
このようにワークフローといっても非常に幅が広く多くの製品・サービスがある事を理解して検討する必要があります。
部分最適な取り組みで単機能なワークフロー製品を選定した事で、後々、他システムと連携ができずに使用を断念する。
あるいは業務ごとにワークフロー製品が複数存在するといった事になりかねません。
業務は常に止まることはなく進み続けているので全体最適を見通したデザインが重要となります。
結論、ワークフロー製品は将来の拡張、全体最適を見通した選定をしましょう。
BPMNツールを活用して業務手順を記述(見える化)し、それを元に議論しながらあるべき姿をデザインしていくといいでしょう。
更にビジネスプロセスワークフローに移行して画面デザインが可能なサービスとセットで活用すると良いでしょう。
参考情報
DXへの第1歩「ITグランドデザインサービス」
DX実現に必要な現状分析、あるべき形の明確化、改善へのステップをご支援いたします。
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