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人事評価施策への取り組み① ~人事評価制度の実態~

【執筆者プロフィール】

[取締役 人財開発・社会貢献担当]
こんにちは! 株式会社福岡情報ビジネスセンターの長田です。
1986年にIBM入社後、SE、PM、ITアーキテクトを歴任し、SE部長としてエンジニアの人事・労務管理を経験したあと、九州・沖縄地域の地区部長としてIBMユーザー研究会、地域有識者会議「九州フォーラム」事務局長、地域外部団体渉外としての業務を歴任しました。また新たなIBMユーザー・コミュニティー(IBM Community Japan)の立ち上げにも関わりました。約35年のIBM勤務を経て、2021年より株式会社福岡情報ビジネスセンターにおいて人財開発・社会貢献を担当する取締役に就任しました。

<前回の記事>
リスキリングへの取り組み③  https://fbicenter.co.jp/blog/20220419_human3

中小企業の人事評価制度の実態

前回までは人材育成、とくにリスキリングにフォーカスした内容でしたが、今回からは人事評価制度に触れていきます。

人事評価と報酬のしくみがきちんと制度化されている会社は実はそう多くありません。厚生労働省から出ているデータを見ると、大企業が100%近く導入しているのに対して、従業員100名以下の企業の導入率は半数以下というのが実情です。この背景には、人数規模から人事部の存在がなかったり、業務が分業ではなく多重業務だったり、会社業績に基づく原資をもとに評価と報酬配分を経営者が決定する(のを慣例としてきた)といったことが挙げられます。

さらに、これは中小企業だけに限られることではないかもしれませんが、制度は存在するとして、期首に社員ごとの業務目標を立ててはいるものの、その基準が統一されていなかったり、期末の評価まで評価者と被評価者の特段のやりとりもされてなかったり、さらに評価結果の給与への連動が明確になってないなど、せっかくの制度なのに望ましくない形式で運用している企業も多いのではないでしょうか。

さらに、経営者から見て社員の価値観が把握できなかったり、社員からも社長の考えがわからないといった状態も想像できます。これだと、社員自らが自身のスキルや業務成果がどれだけ会社に貢献しているのかわからず、目標が明確でなければ何に対して頑張ればよいかわからないため、仕事に対するモチベーションや生産性の低下につながるといった懸念があります。

人事評価制度の役割

望ましいのは、社長(会社)と社員が同じ方向を向き、同じ目標を目指して業務に携わることです。そのためには社長が何を考え、社員に何を求めるのか、同じ言語で言語化され、言葉として伝える必要があります。そのために評価制度が社長(会社)と社員をつなぐ架け橋としての役割を果たします。評価制度で社長の考えていることが言語化されることにより、社員は社長の判断基準や何を重視しているか、会社が期待していることを知り、それに向かって成長することができます。すなわち、人事評価制度による業務目標管理が、会社と社員をつなぐ役割を果たします。

人材育成を通じて経営目標を達成する

人事評価制度は社員の業績によって報酬が決まる成績表のようなイメージと捉われがちです。もちろんその一面もありますが、さきほど触れたように、会社が目指す方向を社員が正しく理解することができるという特長もあります。これにより、何を頑張れば成長できるのか、評価されるのかが明確になります。さらに、頑張り甲斐のある環境に変えていくこともできます。

そしてこの評価制度の運用を続けることで、上司と部下の間での意思疎通はこれまで以上に図られていきますが、このことが人材育成につながります。(ここでは、上司と部下の意思疎通を前提とした評価制度構築を前提としています)。社員が育つことで経営目標の達成につながり、その利潤が評価として社員に還元されますので、会社にとっても社員にとってもプラスの仕組みといえます。

人事評価制度をどのように設定すればよいか

では、人事評価制度を設定するにあたってどんな視点や考慮点があるのでしょう。筆者は前職でライン人事の経験はありますが人事評価制度構築の経験はありません。これまで存在していた評価制度も参考にしながら、目指すべき仕組みをどうしていくことが望ましいのか、次回より構築の過程をご紹介していきたいと考えてます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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