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情報システム内製化で取り残されるSIer~DXアドバイザリーサービス~

【執筆者プロフィール】
皆さまこんにちは!株式会社福岡情報ビジネスセンターマーケティング担当顧問 後藤です。

1979年、IBM製MVSユーザー企業で5年間勤務し、途中5550に出会いこれからの時代はITだ!と感じこの業界に転職。S/36からAS/400のシステム営業として活動し2002年オープンの世界に移る。そして2015年、定年退職を契機に起業。現在は株式会社福岡情報ビジネスセンター のマーケティング担当顧問としてWebマーケティングやDX事業の拡大に奮闘しております。

今回は情報システム内製化で取り残されるSIerについて執筆してみました。ぜひご覧ください!

<前回記事>
PDCA~デジタルでPDCAを回す仕組みを作る~


ITの歴史

ここ数年、企業の情報化投資のスタイルが、SIerや受託開発事業者などに対する外注依存から内製化へとシフトし始めている。筆者がビジネスマンになった昭和50年代(1970年代後半)企業のコンピューター活用は大企業だけでした。しかし、1980年代に入るとミニコンと呼ばれる小型の汎用機(後に日本ではオフィスコンピューター)が出荷され始め、中堅企業でも活用されるようになりました。当時は業務パッケージというソリューションは非常に少なく、コンピューターメーカーはアプリケーションの作り方を教えることでハードウェアを買って頂くという良好な関係が維持できていたと記憶します。

ところが80年代中盤以降、コンピューター価格の低下やパーソナルコンピュータの台頭に伴い、情報化投資のハードルが一気に下がり、中小企業でもIT活用が増え始めました。しかし、中小企業には開発技術者を雇う余裕も無いことからアプリケーション開発は外注していくようになりました。

その頃、日本はバブル景気真っ只中、コア・コンピタンスの掛け声により、本業では無い情報システム部門を分社化することで固定費の増大を防止しました。情報システム子会社は、外部のIT投資の受け皿としても事業化させていきました。ソフトウェアハウスが乱立し始めたのもこの時期です。結果的に日本の情報産業界はSIerという多重下請け構造、いわゆるITゼネコンと揶揄される業態へと墜落していくことになりました。

内製化へシフト

そして、今、DXの流れの中で内製化の動きが活発化してきました。そもそも多重下請け構造のSIerや受託開発事業社への丸投げ方式では良いシステムが出来る訳がありません。また、従来は、バックオフィス業務のシステム化が多く、明確な要件定義さえ実施していれば外注でも問題は無かったのです。

しかし、DXとは、バックオフィス業務とは正反対のお客様やサプライヤーとの接点改善や事業そのもののサブスクリプション化より事業活動を圧倒的なスピードで実行できる体質へと変革する事が目標です。従って、業界や業務知識に疎い外注エンジニアにはお客様の要求をデザインする事が不得手です。

ならば自社で業務に精通した人材にITスキルを付けさせて開発する方が遥かに利便性の高いシステムが早く完成するという事にユーザー企業が気付いてしまったのです。背景には、クラウド技術の発達やオープンソースデータベースや開発ツールの台頭もその流れに拍車をかけているのだと思います。

ビジネス価値と文化の違い

また、事業スピードが求められる時代に、業務や業界慣習を教えながらの要件定義作業よりも、業務を知っている現場のメンバーにローコード開発ツールを覚えさせて事業活動を行いながらシステムを活用していく、変更箇所や利便性を高められる機能を思い付いたら都度改編していく、いわゆるアジャイルソフトウェア開発方式で取り組んでいくことで事業スピードを上げられると考えたわけです。同時に新たなアイディアの創出の機会が増え、他社を出し抜くことにも繋がります。

前述しましたが、内製化の対象となる業務はバックオフィス業務ではなくエンゲージメントの部分です。
※引用:2017年2月5日 ネットコマース社 バイモーダルSIビジネスのすすめ

ITアドバイザリーサービスの必要性

バックオフィス業務(SoR)は積極的にパッケージを活用する一方、現場の活動領域(SoE)の開発は圧倒的なスピードが要求されるのでローコード開発ツールとアジャイルソフトウェア開発方式が注目され始めてきているのです。これが内製化のきっかけとなってきていると思います。

では、SIerは凋落しかないのか?
SESや下請け体質の壁を越えられないSIerは間違いなく凋落の一途でしょう。

しかし、ここが踏ん張りどころですというか、ユーザー企業目線で申し上げると、ローコード開発ツールだけではイメージした操作性は実現できません。RPAも一過性のブームで安易に安価なRPAを導入した結果、野良RPAが溢れかえってしまう始末です。ローコード開発ツールの選択には、IT専門家のアドバイスを取り入れ、開発の外注先としてではなくアドバイザーとして、ITを活用した新しい事業を創造してくパートナーとして共創してく、そんな視点でパートナー選定をして欲しいと思います。

DXアドバイザリーサービスでは、システム構築をはじめとし、20年以上ITサービスを手掛けてきた福岡情報ビジネスセンターの選任アドバイザーが、お客様のデジタルトランスフォーメーションの実現のサポートをいたします。

DXアドバイザリーサービスページはこちら!

以上、最後まで読んでいただき有難うございます。

追伸

SoE領域のアプリケーションをイメージしてください。処理Aを行うために、事前に何かを調べ、又は交渉し、その結果、その処理Aを実行する。そのエビデンスをファイリングし次の処理Bへと続けていく。
このような業務プロセスがあらゆる場面に見受けられると思います。

この業務プロセスの効率化に向けて調査するや結果を集計するといった作業はRPAで自動化したり、アナログデータはOCRでデジタル化する事で自動化されます。また交渉場面ではChatBotやAIが活用できます。処理Aが終わり処理Bまたは処理Cへ分岐していく、ここではルールエンジンが必要になります。

エビデンスのファイリングについては電帳法で話題になっていますが、何も国税関連のエビデンスばかりではなく、ナレッジやカタログといったアナログ情報のデジタル保存も考慮し、堅牢性と検索性を備えたKMSやDMSが必要です。これらのツールを連携させながら見える化し、そしてその状況が常にダッシュボードに反映されるそのようなプラットフォームが必要となります。

とにかくローコード開発ツールだけに目が行きがちですが、このような各種ツールを連携させながら運用できるトータルな仕組み、すなわちプラットフォームが必要となります。お客様の事業規模や取引形態そして予算を鑑み適切な提案をしてくれるITサービス企業とお付き合いされると良いでしょう。

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