プロジェクト管理 悲喜こもごも⑦ ~本番稼働判定~
【執筆者プロフィール】
こんにちは! 株式会社福岡情報ビジネスセンターの高村です。
今回は「本番稼働判定」について話してみようと思います。
<直近のブログ記事>
プロジェクト管理 悲喜こもごも⑥ ~品質管理の考え方~
目次
今回は本番稼働判定についてです。
大きなプロジェクトでは、サービスインクライテリアをきちんと定義し細かくチェックを行ないますが、小さなプロジェクトではなかなかそこまではできません。しかしながら、規模が大きい小さいに関わらず、押さえるべきポイントは同じです。今回は、その辺りのポイントをお話してみようと思います。
本番稼働判定は3つの観点で判定することが大切
本番稼働判定は大きく3つの観点で行ないます。
皆さんがまず思い浮かべるのは品質についてではないでしょうか。充分なテストが行われたことにより不具合が取り除かれ、実際の業務が支障なく行えるレベルの品質であることというのが判断基準として真っ先に頭に浮かんでくるのではないでしょうか。
しかし、それだけではありません。本番稼働判定は、少なくとも以下の3つの観点でもって判定することが大事なのです。
①システムの品質について
本番の業務が支障なく行えるレベルの品質が確保できているか。
②移行/切換えについて
本番移行の計画策定やリハーサル等がきちんと実施されており、データ移行も含め、スムーズに本番移行できる準備が整っているか。
③本番稼働/運用について
システムを本番化したあと、運用体制・保守体制が整い、教育がなされているなど、問題なく運用できる準備ができているか。
その1|システムの品質について
プロジェクト立上げ時に定めた品質管理計画に沿って品質は確保されていくわけですが、最後はテストでもってその品質を確かめ、不具合があれば取り除きます。しかし、すべての不具合が取り除かれなくても、本番稼働開始OKの判定を下す場合があります。軽微な不具合がいくつか残っていても業務遂行に支障が無かったり、運用でカバーできたりするのであれば、本番稼働開始OKとしても問題ないでしょう。
重要なのは、実際の業務遂行に支障がでないことです。そして大事なことはエンドユーザー自身に「これなら大丈夫」という認識をしてもらうことです。そのために、業務に沿った受入テストをしっかりやっていただくことが重要になります。
その2|移行/切換えについて
いくら品質が良くても本番への移行計画が充分でないと判断される場合は、GOサインを出してはいけません。最悪の場合、移行に失敗したうえに元に戻せなくなり業務に支障をきたすことにもなりかねません。
作業手順、タイムスケジュール、体制、切り戻し手順や回帰不能点の設定、現場へのアナウンスや協力依頼など、綿密な計画をたて、且つ、可能であればリハーサルも実施してスムーズに本番移行できるよう準備が必要です。稼働判定ではこれらの本番移行に向けた準備が充分に整っているかどうかも判定の重要なポイントなのです。
その3|本番稼働/運用について6つの確認ポイント
最後は本番稼働/運用についてです。品質に問題なく、移行準備も万端だからといって移行してしまっても、使うことができなければなんにもなりません。ですので、以下を確認することが重要です。
① 操作教育が完了しており、エンドユーザーが操作できる状態にあること
② 運用手順が確立されており、オペレータが新しい運用ができる状態にあること
③ 本番稼働開始直後の支援体制が整っていること
④ 本番稼働開始後に発生する問題管理手順・体制が整っていること
⑤ 本番稼働後のプログラムリリース手順が整っていること
⑥ 保守体制が整っていること
つまり、本番移行した後に本番でシステムを使える準備ができているかどうかも判定の重要なポイントです。
3つの観点を押さえて、スムーズなサービスインを目指しましょう
これまでに書いた通り、この3つの観点でもって判定することが大事です。1個でも漏れると、うまく本番稼働できなくなる可能性があります。プロジェクトの大小に関わらず、たとえ一部機能改善のような小さなプロジェクトでも、この3つの観点でもってサービスインの判定することが大事です。スムーズなサービスインを目指して、必ずこの3つの観点を押さえるようにしましょう。
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