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人事評価施策への取り組み⑧~KPIと行動目標の改善~

こんにちは! 株式会社福岡情報ビジネスセンターの長田です。

【執筆者プロフィール】
[取締役 人財開発・社会貢献担当]
1986年にIBM入社後、SE、PM、ITアーキテクトを歴任し、SE部長としてエンジニアの人事・労務管理を経験したあと、九州・沖縄地域の地区部長としてIBMユーザー研究会、地域有識者会議「九州フォーラム」事務局長、地域外部団体渉外としての業務を歴任しました。また新たなIBMユーザー・コミュニティー(IBM Community Japan)の立ち上げにも関わりました。約35年のIBM勤務を経て、2021年より株式会社福岡情報ビジネスセンターにおいて人財開発・社会貢献を担当する取締役に就任しました。

<前回の記事>
人事評価施策への取り組み⑦~行動目標の評点の尺度から検討~

KPIと行動目標の改善点

前回まで、事業部長間で議論し目標シートを定め、これに基づき面談ベースでの個人ごと目標設定、中間面談、最終評価面談を進めてきましたが、やはり実運用を進めていくうちに問題点が出てきました。こうなると当初議論して設定した評価基準は何だったのか、と思われるかもしれませんが、会社としてはそういったことが起こること前提で導入作業を進めています。会社を取り巻く環境の変化や、仕事のしかたも変わっていっています。そのため、実態に合わないなどうまくいかない点があれば、その内容を事業部長全員で共有し、次の期の評価がよりよくなるように議論を重ねます。

一回の評価基準設定内容で数年間固定した運用ができるとは考えず、期ごとに見直す姿勢が必要です。そのためにも、運用途中で気づいた点をタイムリーに収集し、時機をみて事業部長間で議論することを取り決めておくとよいでしょう。

今回修正の必要を検討すべき点として出てきたのは次のことです。


・期の途中で担当プロジェクトが変わることがあり、プロジェクト利益を個人の評価と合わせることが難しい

・期の途中で職種変更が起きる(例:請負開発→お客様先常駐でのSEサービス)

・期の途中での昇進も稀に発生する

・一般、マネジャー、事業部長のような職種ごとにウェイトを決めていたが、新人〜若手(3年目まで)とそれ以降での区分けも必要。特にKPIよりプロセスにウェイトを多くするなどの配慮

このように、KPIで設定された数値が前提であれば評価は絶対的で明確なのですが、実際はKPIが部門全体あるいはプロジェクトごとの利益目標数値として半期ごとに設定することとなり、期の途中で異動やプロジェクトへのアサイン変更などが発生すると、KPIと個人の成果との紐付けが難しくなることがわかりました。

KPIと行動目標の見直し

このため、全事業部長との間での共通課題として、次のように見直し、次の期の目標設定から反映させることを決定しました。

大きな方針としては次のとおりです。(事業部長以外社員に適用)


・個人評価により重点を置くために、行動目標のウェイトを高める

・評価期間中に異動が発生する場合、中間面談のコメント欄に新たな目標を設定し、中間面談前と後の評点の平均をとって評価(あくまでも半期評価)

・KPIのウェイトを低く設定し、Backlog(プロジェクト管理ツール)などの社内的な項目を残し、部門全体の評価項目を低いウェイトで入れる

・等級ではなく職位ごとにウェイトを変えて評価シートを作成

この方針転換を次の期から適用することとしましたが、これにより、KPIを達成するために個人としてどのような行動を取るか、目標設定の立て方をより具体的にする必要があります。これまでの反省としても、目標設定時ではきちんと立てられたように見えた内容も、最終的に評価が難しいとされることが散見されたことから、社内の周知も見直しを迫られました。

目標設定の立て方(行動目標設定の考慮点)

今回の評価基準見直しに伴い、行動目標設定の重要性がより高まりました。ある意味数値目標設定よりも難しいと思われますので、NGワードを排除し、より具体的な目標設定の例をいろいろな観点から見ていきます。これについては次回解説します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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人事評価施策への取り組み⑨~目標設定の立て方~

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