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最終更新日: 2025.02.06

【解説】BtoB企業が受発注システムを導入する3つのメリット・注意点

受発注システム導入に向けて
BtoB企業が受発注システムを導入するメリット

今回のブログでは、BtoB企業が受発注システム(ECサイト・オンラインショップ)を導入するメリットや導入の注意点をまとめました。

BtoB 受発注システムとは

BtoBとは?BtoCとの違い

BtoB(Business to Business)とは、企業間取引のことで、企業と企業がビジネスを行うことを指します。B2Bと略される場合もあります。
BtoBの対義語はBtoC(Business to Consumer)で、企業と一般消費者(個人)の間の取引を指します。

受発注システムとは

インターネット上で買い物ができるWebサイト・オンラインショップを「受発注システム」と言います。
BtoBでは「ECサイト」「EC」、BtoCでは「ネットショップ」「ネット通販」「オンラインショップ」という言葉がそれぞれよく使われています。

EC(Electronic Commerce)とは、日本語で電子商取引と訳されます。インターネット上で行われるモノ・サービスの取引を総称してECと呼びます。

BtoB 受発注システムの特徴3つ|BtoCとの違い

BtoB 受発注システムの特徴を、BtoCと比較して3つ紹介します。

  • クローズドなサイトが多い
  • 商品や価格の表示がユーザーごとに異なる
  • 1社で複数の発注担当者が存在する

特徴1|クローズドなサイトが多い

BtoB受発注システムの特徴1
クローズドなサイトが多い
特定の得意先・取引先のみがログイン可能
商品・掛率がユーザーごとに異なる

BtoC向けの受発注システムでは通常、全てのユーザーが受発注システムを利用することができます。

それに対してBtoB向けの受発注システムでは、特定の得意先・取引先のみがログインしてシステムを利用できる、クローズドなシステムが多いことが特徴の1つです。

クローズドなシステムが多い理由には、次の項で紹介する「商品」「掛率」が関係しています。

特徴2|商品や価格の表示がユーザーごとに異なる

BtoB受発注システムの特徴2
商品や価格の表示がユーザーごとに異なる
得意先ごとに表示する商品を変える
取引先ごとに掛率を変える

BtoC向けの受発注システムでは、優待会員である場合や割引されている場合を除いて、基本的に全てのユーザーが同じ商品、同じ価格で商品を購入します。

しかし、BtoB(企業間取引)では、得意先ごとに販売する商品が異なっていたり、同じ商品であっても取引先企業ごとに掛率(商品の販売価格に対する原価の割合)を変えたりすることが珍しくありません。

そのためBtoB向けの受発注システムでは、表示される商品内容や価格がユーザー(得意先・取引先企業)ごとに異なる場合が多いです。

特徴3|1社で複数の発注担当者が存在する

BtoB受発注システムの特徴3
1社で複数の発注担当者が存在する
購入に上長の承認が必要
企業を単位としたツリー型の構造

BtoC向けの受発注システムでは、一般的にユーザー(買い手)1人で注文・決済を行うことができます。

一方、BtoB向けの受発注システムでは、ユーザーとなるのは企業です。
BtoB(企業間取引)では、購入に上長の承認が必要であったり、複数の発注担当者が存在したりする場合が大半です。
また、前項で紹介した通り、BtoBでは得意先企業ごとに掛率が変動します。

BtoB向けの受発注システムでは、複数の発注担当者の存在掛率の変動、そして業界独自の商習慣に合わせた取引形態を考慮してシステム構築を行うため、BtoC向けの受発注システムと比較して、企業を単位としたツリー型の管理構造を考える必要があります。

BtoB企業が受発注システムを導入する3つのメリット

BtoB企業が受発注システムを導入する場合の代表的な3つのメリットを紹介します。

  • 受注業務を効率化できる
  • 人為的なミスを削減できる
  • 属人化を防ぐことができる

メリット1|受注業務を効率化できる

BtoBで受発注システムを導入するメリット1
受注業務を効率化できる

電話やFAXが主な受注形態の場合、下記の課題があります。

  • 電話やFAXで受領した情報を基幹システム等に手入力しなければならず、膨大な負担がかかる
  • 大量の紙(発注書)の管理が必要になる
  • 営業宛の連絡も多く営業活動の妨げになっている

受発注システムでは、受注に必要な手続きは全てインターネット上で完結します。そのため、受発注システムを導入し、これまで電話やFAXを使い手作業で行っていた業務を自動化することで、受注業務を効率化することができます。

また、電話やFAXでの受注は営業時間内のみに留まりますが、受発注システムでは24時間いつでも注文の受け付けが可能です。受発注システムを導入することで、顧客が営業時間外に注文を行いたい場合に、対応にタイムラグが発生したり、その時間に営業している競合他社や他企業の受発注システムへ顧客が流れたりする可能性を防ぐことができます。

受発注システム導入のポイントはこちら

FAXや電話での受注業務を削減し、効率化を実現する方法する方法

メリット2|人為的なミスを削減できる

BtoBで受発注システムを導入するメリット2
人為的なミスを削減できる

受発注システムを導入することで受注に必要な業務を自動化できるため、下記のような人為的なミス(ヒューマンエラー)を削減することができます。

  • 手入力の際の記入ミス
  • 「いつものお願い!」「この前の追加で」という曖昧な注文が原因で発生する、読み間違いや聞き間違いによる誤入力

誤入力が起きた場合、そのまま誤った製造・出荷指示が行われ、時間・コスト共に損失を出してしまいます。
受発注システムでは、発注者は写真・商品名などの商品詳細を目で見て注文します。受注者もこれらの情報を確認したうえで商品を受注します。このような業務フローを経ることで、発注者と受注者の認識の齟齬を減らし、語入力や誤った発注を防ぐことができます。

メリット3|業務の属人化を防ぐことができる

BtoBで受発注システムを導入するメリット3
属人化を防ぐことができる

BtoB(企業間取引)でよくある課題の1つに、特定の得意先から受け取る発注情報の「商品コード」や「商品名」が受注側で扱っているものと異なるため、入力に慣れやノウハウが必要という課題があります。

ベテランであれば「この得意先のこの注文商品は、うちのシステムで言うとコレね」と素早く判断ができますが、業務に慣れていない人や新人はそうはいきません。

特定の人しか業務を行うことができず極端に属人化している状態は、事業継続性に問題があったり、人材育成に時間がかかったりするなど、企業にとって非常に高いリスクとなります。

BtoB企業に特化した受発注システムでは、「特定の得意先にのみ、掛け率や選択画面に表示させる商品名などの販売条件を変更する」という設定が可能です。あらかじめ受発注システムで条件を設定すれば、入力に慣れやノウハウは不要となるため、ベテラン社員に依存せず、業務の属人化を防ぐことができます。

BtoB企業が受発注システムを導入する3つメリットまとめ

BtoBで受発注システムを導入する3つのメリット
受注業務を効率化できる
人為的なミスを削減できる
属人化を防ぐことができる

このように、受発注システムを導入し、電話・FAXからの転記・入力作業の負担を軽減することで、注文から出荷、納品までのリードタイムを短縮し、生産性の向上を図ることが可能です。
業務を効率化し、受発注に対応する人員・時間を削減すれば、企業はコア業務新たな施策の導入など、より重要なミッションに注力することができます。

受発注システム導入の3つの注意点

BtoB企業が受発注システムを導入する際の注意点を3つ紹介します。

  • 業務フローを整理する
  • 得意先が受発注システムを利用してくれるのか調査する
  • 基幹システムとの連携が可能か確認する

注意点1|業務フローを整理する

受発注システム導入の注意点1
業務フローを整理する
既存の業務フローの見直し
新しい業務フローの整理

受発注システムの導入によって、これまで電話やFAXで行っていた受注業務や、その後の発注書作成、入力作業など様々な流れが変わります。導入後、すぐに運用を開始できるよう、既存の業務フローの見直し新しい業務フローの整理を行いましょう。

  • 業務を受発注システムに置き換えた場合、適切に業務を進められるか
  • システム導入に伴う業務フローの変更点の整理(体制や管理方法の見直し)

注意点2|得意先へのサポートを行う

受発注システム導入の注意点2
得意先へのサポート
受発注システムを利用してくれるか調査
得意先の業務環境に応じた対策

全ての得意先が受発注システムをすぐに利用してくれるとは限りません。受発注システムの導入・開設前に、得意先が受発注システムを利用してくれるかを調査する必要があります。
調査には顧客アンケートが有効です。受発注システムを導入した場合にご利用いただけるか、発注側である顧客にとってのメリットも添えて事実確認していく必要があります。

調査の結果、利用率が低い場合は別の打ち手を講じる必要があります。既にEDIが用意されている、紙で出力せざるを得ないためECだと手間が増えるなど、顧客がなぜ受発注システムへ移行する気になれないのかなどの理由を調査し、得意先の業務環境に応じた対策が必要になります。

また、全ての得意先に対して受発注システムを開設するのではなく、まずはスモールスタートで特定の得意先にのみ受発注システムを利用してもらい、課題を洗い出すのも一つの手です。

注意点3|基幹システムとの連携が可能か確認する

受発注システム導入の注意点3
基幹システムとの連携可否
自社の基幹システムと連携可能か
販売元・もしくは得意のベンダーに確認

受発注システム導入にあたり、導入の候補に挙げた受発注システムの構築サービスやパッケージが、自社の基幹システムと連携可能か確認しましょう。確認方法は、構築を依頼する企業やパッケージの販売元に確認しても良いですし、得意のベンダーがあればそのベンダーを通して確認するのもアリです。

BtoBにおける受発注システムの種類は2つ

BtoBで導入可能な受発注システムは、大きく分けて次の2種類です。

パッケージ製品とスクラッチ開発の違い
パッケージ製品
①低費用・低コスト
②短期間で導入可能
スクラッチ開発
①細かなカスタマイズが可能
②自社専用のECを構築

その1|パッケージ製品を使用する

受発注システムの構築・運営に必要な標準機能がパッケージングされた製品です。
次で説明するスクラッチの受発注システムに比べて、費用やコストを抑えて短期間で導入できるのがメリットです。

その2|スクラッチで自社独自のサイトを構築する

オーダーメイドで受発注システムを構築していく手法です。
要件定義・設計・プログラミング・保守が必要となり、パッケージで作った受発注システムよりも高額かつ開発に時間がかかります。
しかし、パッケージでは実現できない、自社専用の細かなカスタマイズをできることが利点です。

スクラッチ開発とは?こちらのページで詳しく解説しています

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■ この記事を書いた人

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東 菜々美
Digital Marketing事業部

主にWebデザイン・マーケティング業務に携わる。
趣味は猫とクリエイティブ活動全般。

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